歯髄温存療法|大きな虫歯に対して神経を残した症例

【歯髄温存療法】深い虫歯から歯の神経を残した症例|鈴鹿市のもとはし歯科

今回は、左上の奥歯に深い虫歯を認めた患者さまに対して、歯の神経(歯髄)をできるだけ残すために歯髄温存療法を行った症例をご紹介します。

治療前・治療後

Before|治療前

【術前のレントゲン写真】

矢印の部分に、虫歯によって歯の内部が黒く見えている部分が確認できます。

After|治療3か月後

【術後3か月のレントゲン写真】

治療から3か月後、痛みなどの症状はなく、歯の神経も正常に反応しており、神経が残っていることが確認できました。

※治療結果には個人差があります。

治療前の状態

19歳の女性で、左上第二小臼歯(左上の奥歯)に神経に近い深い虫歯が認められました。

診査では、何もしていないときの痛みや噛んだときの痛みはありませんでしたが、冷たいものや温かいものが触れると痛みを感じる状態でした。

また、歯の神経が正常に反応しているかを調べる検査(EPT)でも反応があり、歯の神経が生きていることが確認できました。

【術前のレントゲン写真・CT画像】

レントゲン・CT検査では、虫歯の深さや歯の神経、歯の根の周囲の状態を詳しく確認しました。

矢印で示した黒く見える部分が虫歯です。虫歯が神経の近くまで進んでいることが確認できます。

これらの検査結果から、歯の神経を残せる可能性があると判断しました。

患者さまに現在の歯の状態と治療方法についてご説明し、相談したうえで、できるだけ神経を残す「歯髄温存療法」を行うこととなりました。

ラバーダム防湿

【ラバーダム装着直後・削る前の写真】

治療を開始する前に、治療する歯にラバーダム防湿を行いました。

ラバーダム防湿とは、治療する歯だけをゴムのシートから露出させ、唾液や細菌が治療部位に入り込むことを防ぐための処置です。

特に歯髄温存療法では、歯の神経をできるだけ残すために、治療中の細菌感染を防ぐことが重要です。

そのため、ラバーダム防湿を行ったうえで、虫歯の除去を進めていきます。

虫歯の除去

【治療途中の写真】

虫歯に感染した歯質を、健康な部分をできるだけ残しながら慎重に除去していきます。

虫歯が深く進行している場合、歯髄(歯の神経)まで虫歯が達していることがあります。

今回も虫歯を除去していく途中で、矢印で示した部分に歯の神経が一部露出していることが確認されました。

このあと、神経の状態をマイクロスコープで詳しく確認し、神経を残せるかどうかを判断しながら治療を進めました。

マイクロスコープで歯髄の状態を確認

【マイクロスコープで撮影した歯髄の写真】

虫歯を除去すると歯髄(歯の神経)が一部露出したため、マイクロスコープを使用して、神経の状態を拡大して詳しく確認しました。

神経の状態や出血の様子などを確認した結果、神経をすべて取り除くのではなく、残せる可能性があると判断しました。

そこで、感染や炎症が疑われる神経の一部のみを取り除き、健康な神経をできるだけ残す処置(断髄)を行いました。

バイオセラミック材料による歯髄保護

【断髄後・バイオセラミック材料を使用した写真】

歯髄(歯の神経)の一部を取り除いた部分に、神経を保護するためのバイオセラミック材料を使用しました。

その後、細菌が再び入り込まないようにしっかりと封鎖し、歯を修復しました。

治療直後

【術直後のレントゲン写真】

歯髄温存療法を行った直後のレントゲン写真です。

治療後は、痛みなどの症状や歯髄(歯の神経)の反応を確認しながら経過観察を行います。

治療3か月後の経過

【術後3か月のレントゲン写真】

こちらは、治療から3か月後のレントゲン写真です。

治療後3か月の時点で、痛みなどの症状はありません。

また、歯の神経が正常に反応しているかを調べる検査(EPT)でも反応があり、治療した歯の神経が生きていることが確認できました。

現在まで経過は良好ですが、今後も定期的に神経の状態や歯の根の周囲に問題がないかを確認していきます。

症例概要

年齢・性別: 19歳・女性
治療部位: 左上第二小臼歯
治療前の症状: 自発痛(−)、咬合痛(−)、冷温痛(+)、打診痛(−)
EPT: (+)
治療内容: マイクロスコープを用いた歯髄温存療法
使用材料: バイオセラミック材料
治療期間: 1日(経過観察3か月)
治療回数: 1回
治療費: 44,000円(税込)
※上記は歯髄温存療法の費用です。その後の詰め物・被せ物の費用は別途かかります。
治療区分: 自由診療

※治療期間・回数・費用は、虫歯や歯髄の状態、治療内容によって異なります。

歯髄温存療法の主なリスク・副作用

・歯髄の炎症や感染の状態によっては、歯髄を残せない場合があります。
・治療後に一時的な痛みやしみる症状が生じる場合があります。
・治療後に歯髄が失活した場合や症状が生じた場合には、根管治療が必要になることがあります。

鈴鹿市・亀山市で歯の神経を残す治療をご検討の方へ

もとはし歯科では、できる限り健康な歯質と歯の神経を残し、ご自身の歯を長く使っていただくことを大切にしています。

深い虫歯でも、歯髄の状態によっては、すぐに神経をすべて取り除くのではなく、マイクロスコープなどを用いて歯髄の状態を確認し、歯髄温存療法によって神経を残せる可能性があります。

ただし、すべての歯で歯髄を温存できるわけではありません。診査・診断を行い、歯髄の状態に応じて適切な治療方法をご提案します。

鈴鹿市・亀山市周辺で、「できるだけ歯の神経を残したい」「深い虫歯で神経を取る必要があると言われた」という方は、もとはし歯科へお気軽にご相談ください。

歯髄温存療法について詳しくはこちらをご覧ください。
https://motohashi-dental-clinic.com/medical/caries/